丸富商会は、日本で初めてのバングラデシュとの合弁会社を2007年10月に設立しました。
まずはじめに、現地から3人の特待生を日本で受け入れる事からスタート。日本で共に生活することで日本の生活様式や文化を学びながら、丸富商会のものづくりに対する考え方・技術を身体に染み込ませるように伝え、日本文化を理解できる職人へと育て上げました。
その後、バングラデシュ現地での工場建設から弊社社員が入り、現地スタッフと共に、本当に何もない状態から、一丸となって工場を立ち上げ。もちろん工場では、特待生だったバングラデシュの職人が、技術面での大黒柱です。
特待生受け入れから始まり、海を超えた人と人との繋がりを大切に積み上げてきた当社だからこそ、海外工場でありながらも、日本と同レベルの品質の商品を生産する事ができると自負しております。
当初は30人ほどだったバングラデシュ工場も、技術の向上と共に需要が高まり、今では500人以上が働く大型工場に成長。この工場では、自社タンナーを持っているため、他ではマネできない新しい革を開発する事が可能です。さらに、アジアやヨーロッパに幅広いネットワークがあり、諸外国からも様々な材料を直接調達出来るというメリットも兼ね備えております。
しかも、バングラデシュは特恵関税の対象国であるため、私たちの扱う商品には輸入関税がかかりません。このため通常より安く商品を作る事が可能です。
また、生産することだけでなく、環境問題にも配慮しており、ISO14001(環境マネジメントシステム)の認証も取得しています。
バングラデシュでは、日本のように社会保険制度の整備が進んでいません。
そのため私たちの工場では、福利厚生の一環として積立基金制度を設立し、退職金制度を導入しました。また、子どもがいても働きやすい環境を提供するため、小さな子どもたちを預けることができる「保育ルーム」や、体調不良時にサポート出来る「保健ルーム」を設け、働きやすい環境を整えることにも注力しています。
バングラデシュでは日本に比べてまだまだ教育環境が整っておらず、郊外の村では、全ての子供達が学校に通うことすら出来ないのが現状です。
1983年より故郷の子どもたちと国の発展のため小学校を設立してきた、私達の合弁仲間であるABEDIN GROUPのMr. ABEDINと共に、2007年の合弁会社設立後、共同で小学校を設立。
私達はさらなる支援を継続し、2013年にはバングラデシュ政府・初等教育セクターのもと、この小学校を国営化へと導きました。現在では2階建てに改築した新校舎で、120名の児童たちが勉学に励んでいます。
また同時に、彼と私たちの社会福祉への活動の一部として、毎年彼らへ「学生鞄」ほか、必要な器具などの供給を継続して行っております。